野球はアメリカのものだ ― 元ドジャース監督のトミー・ラソーダが、第2回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)2次ラウンドの開幕を前にしてそう言ったという。
アメリカのものかどうかはともかく、野球というスポーツの興隆が、この国のメジャーリーグの歴史と共にあったことは紛れもない。
1869年にアメリカで初めて誕生したプロ野球チームが、シンシナティ・レッドストッキングズ(シンシナティ・レッズの前身)。そして7年後の1876年にプロリーグが結成された。1901年には東部地区を中心に両リーグ8球団ずつの2リーグ制となり、その後アメリカ全土で野球熱が高まるとともに、次第に球団の数も所在地域も拡張。現在では、2リーグ6地区で合計30球団がアメリカとカナダ(1チームのみ)に本拠地を構え、ペナントレースを展開している。
そうした伝統を誇るアメリカ野球を彩ってきた100人の偉大な野球選手"Baseball's 100 Greatest Players"を、米スポーティングニュース誌が1998年にランキング化して発表している。
ベスト1は、もちろんベーブ・ルース。ルースのホームラン記録の多くは現在塗り替えられているが、人々の野球観を一変させた「革命児」の功績と名声は色褪せることはない。
ルース登場以前の野球では、ホームランはそれほど重視されていなかった。打って走って守る、機動力重視のプレーが華とされた。その申し子ともいえるスーパースターが、3位にランクされているタイ・カッブ。生涯打率は今も歴代トップの.366。4割を超えたシーズンは3回。通算安打数4,195本、盗塁数892も長く破られなかった。激しい気性をむき出しに、スパイクの歯を振り上げたすさまじいスライディングが有名で、安打製造技術とともに華麗な走塁を売り物とした。カッブは、ベーブ・ルースより若干活躍時期が早いが、ルースによってホームラン至上主義に陥った野球スタイルを嘆いていた。自身の長打力のなさを指摘されたとき、ホームランを打つことに専念すれば打てると豪語し、実際晩年の時期にもかかわらず、2日で5本のホームランを放ったこともあった。ウォルター・ジョンソン(ランク4位。投手では1位)は、「カッブほど才能溢れた選手を知らない」と賛辞を贈っていた。
近年、マーク・マグワイア、ソーサ、ボンズが、ルースをはるかに超えるシーズンホームラン数を記録。パワーヒッターがあらためてもてはやされることとなったが、それに一石を投じたのがイチローの出現だった。間一髪の内野安打やバントヒット、快足で稼ぐ長打。強肩を発揮した類まれな守備力。スピード感に満ち溢れたプレーの醍醐味を今さらながらに示した。
「野球はアメリカのもの」というラソーダの矜持滲むことばは、裏返せば野球のグローバル化の進展を印象づける。メジャーが中南米や黒人選手を積極的に受け入れ、ラソーダが所属したドジャースが先駆けとなって、アジアやヨーロッパ、オーストラリア等、世界中にスカウト網を広げて選手獲得に努めた。メジャーリーグ国際化の延長上で、WBC開催は実現した。
1次ラウンドを見る限り、第2回大会においてもアメリカの強さは絶対的なものではない。パワーの点ではベネズエラ、プエルトリコ、キューバもすごい。韓国もパワー、スピード併せ持つ。タイ・カッブ的スモールベースボールを体現する日本チームがどう戦うか、大いに期待したい。
Reference: The Sporting News list of Baseball's Greatest Players
Posted: 14 March 2009
野球選手ランキングベスト100
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アメリカのスポーツ専門誌『スポーティングニュース』が1998年に選定した「Baseball's 100 Greatest Players」に挙げられた野球選手ランキングをリストアップしています。名前をクリックすると動画が再生されます。


