ドラーバーが世界各地のサーキットを転戦し、ポイント制によって年間グランプリの覇を競うモータースポーツの最高峰F1(フォーミュラ1)。
技術の粋を極めた最新鋭のマシンを自動車メーカーは開発し、スポンサー企業は莫大な資金を提供しながら、豪奢な広告宣伝を繰り広げる。F1は、オリンピック、サッカーワールドカップと並ぶ世界最大のスポーツイベントであるとともに、技術革新と巨大ビジネスが華々しく蠢く場でもある。
昨今の経済不況化、大手メーカーやスポンサーの撤退も相次ぐ中で、主催するFIA(国際自動車連盟)は、より経済性を追求した運営や、ドラーバーの安全とレースのエンターテインメントを両立させたレギュレーション(規則)の設定、さらに環境保全への配慮も迫られている。
1950年にスタートした60年に及ぶF1の歴史において、最も優れたドライバーは誰か。異なる時代状況・条件下に活躍した選手たちを無理を承知で、あえて同列に比較するのがオールタイムランキング。イギリス・ガーディアン紙の著名なF1レポーター、アラン・ヘンリーは2008年に上梓した"The Top 100 F1 Drivers of All Time"で、スターリング・モスを1位に挙げている。モスは1948年から1962年にかけて活躍したイギリスのドライバーで、生涯497レース中194レースに勝利し、F1では16勝を挙げている。名レーサーの誉れ高いとはいえ、F1の年間チャンピオンに輝いたことはなく、「無冠の帝王」と呼ばれた。その彼を1位に推したヘンリーのランキングはいささか意表をつく部分がある。他にもF1草創期の古のドラーバーが上位にリストされ、最多優勝回数を塗り替えたマイケル・シューマッハーがベストテン入りしていない(11位)など、主観的にすぎるランキングとの異論も多いようだ。一方、タイムズ選定の"The 50 greatest F1 drivers"のトップはジム・クラーク。2位アイルトン・セナ、3位シューマッハーと続き、より妥当な顔ぶれが上位に揃う。
それにしてもこのタイムズが選んだ50人中、1位のクラーク、2位のセナをはじめ、調べてみると何と12人(他にアルベルト・アスカリ、ヨッヘン・リント、ジル・ヴィルヌーヴ、マイク・ホーソーン、ブルース・マクラーレン、ローニー・ピーターソン、ジョー・シファート、ロレンツォ・バンディーニ、ピーター・コリンズ、ミケーレ・アルボレート)ものF1ドライバーが、レース中またはテストドライブ中の事故死で若くして命を失っている。加えてグラハム・ヒルとディディエ・ピローニは、それぞれ軽飛行機とパワーボートの操縦事故により早世している。秒を争い、一瞬に燃焼し尽くすレースさながらの生涯が、あまりに刹那的で壮絶だ。
Reference:The Top 100 F1 Drivers of All Time
The 50 greatest Formula One drivers
Posted: 16 May 2009
偉大なF1ドライバー50人
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