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昭和30,40年代-懐かしの野球マンガ

昭和39年から41年頃にかけ、月刊マンガ誌「ぼくら」に、『なげろ健一』という野球マンガが連載されていた。作者は、後に『タイガーマスク』や『ジャイアント台風』で人気を博した辻なおき

主人公の橘健一は、高校野球を経て弱小プロ野球チーム「少年ジャガース」に入団し、たちまちエースとなる。魔球を操り、王、長嶋をもキリキリ舞いさせる。その健一の前に、「佐々木強四郎」という強敵が現れる。

橘健一強四郎は佐々木小次郎の末裔で武術に秀で、剣の修行で培った力をバッティングに生かす。阪神タイガースに入団し、オープン戦でいきなり13打席連続ホームランを放つ。どんな球もホームランにしてしまう秘密は、強四郎の「観念動力」という特殊な能力にあった。勝ち目が薄い強四郎との対決を前に怖気づく健一だが、ついに強四郎の「観念動力」攻略のカギを見出す。それは、強四郎に武芸対決で一矢報いた武術家から授かった「手裏剣」の中に隠されていた。

さて、健一と強四郎の決戦がいよいよ佳境に入るというところで、その後読む機会を失してしまった。あの対決がどう決着したのか、先日このマンガが復刻されていることを知り、アマゾンで取り寄せてみた。少年時代夢中になったマンガだが、あらためて目にすると絵は荒削りで、セリフやストーリーも随分と幼い。一方、気の利いたギャグも結構あって笑わせる。読み進めていくうち、場面場面、「そんな話だったか」と記憶が甦る。結局健一は、苦闘の末に打倒強四郎を果たし、二人の間には友情が生まれていたことを知るが、さらに物語は展開し、健一に意外な結末が訪れていた。

近年、原画のデジタル化によって、かつての名作マンガが復刻され、あるいはオンデマンドという方法で再び読むことが容易になっている。加えてアマゾン等オンラインブックストアを通じて、昔のマンガを気軽に検索、入手できるようになった。お陰で健一と強四郎の宿命の対決も、40年ぶりに確認することができた。

昭和30年から40年代に少年期を過ごした子どもは、例外なくマンガに魅せられ、中でも野球マンガは花形だった。『なげろ健一』のように、純真な少年エースが親友とバッテリーを組み、魔球を武器に長嶋、王など実在の選手や次々出現する宿敵と対決する展開は、『ちかいの魔球』『巨人の星』など当時の野球マンガの定番パターン。今にしてみれば荒唐無稽なところも多かったが、思い出せばたまらなく懐かしい。

Posted: 4 April 2009