毎年、終戦記念日が近づくと、昭和の戦争を特集したドキュメンタリーやドラマがテレビで放映される。「なぜあの日中戦争・太平洋戦争は起こったのか」。昭和の歴史における永遠のテーマに焦点を当てながら、新たな公・私文書の発見や生存者の証言、秘録に基づいたきめ細かい検証がなされ、見応えある番組も多い。
今年の放送の中では、元海軍の高級将校たちが、戦後、密かに行っていた「私的な反省会」の400時間にわたる証言テープの公開が印象に残った。対米戦争について、具体的な作戦計画は明確でなく勝算も十分に見込めない状況下、多くの海軍幹部は戦闘を避けるべきと考えていた。しかし天皇直属機関である海軍「軍令部」の中枢が、「統帥権」をたてに強引に戦端を開こうとする。その勢いの前にあって、開戦に反対する者には「臆病者」のレッテルが貼られかねなかった。戦争準備のために軍備を拡張すれば、大蔵省から多大の予算が獲得でき、「海軍が潤う」という側面も影響していた。
一方、日中戦争を惹起して甚大な物的・人的犠牲を払ってきた陸軍も、もはや後には引けないと強行に開戦を主張する。海軍が戦争を回避すれば、陸軍と海軍との間で内乱も起こりかねない事態にあったという。
海軍と陸軍の一部上層部の、国家よりも組織を重んずる「意地」と「体面」によって、日本は泥沼の日中戦争と太平洋戦争に引きずりこまれたという、不条理な構図が浮かび上がっていた。
Posted: 24 Oct 2009
Reference: Wikipedia


